小話

東大寺 法華堂(三月堂)

東大寺 法華堂(三月堂)は、奈良時代に建てられ東大寺の建築の中で最も古く、東大寺の前身寺院である金鍾寺の遺構と伝わるっています。
鎌倉時代に重源上人(上人:仏教における高僧への敬称であり称号)により増築されています。
不空羂索観音を本尊として祀るためのお堂であり、旧暦3月に法華会(ほっけえ)が行われるようになり、法華堂、また三月堂ともよばれるようになったそうです。

このお寺にかかっている樋が現存する最古の樋です。

軒先には何もないじゃん?と思われるかもしれませんが、軒裏を見上げて下さい。
奈良時代に作られた部分の正堂と鎌倉時代に増築された礼堂の合わさっているところです。一か所だけ建物の中から外に向かって飛び出している三枚の木板で作られたコの字型の樋があります。端に止まり(蓋)はされてなく穴が開きっぱなしです。


(写真:出典元 裏辺研究所 http://www.uraken.net/)

写真の真ん中より少しだけ(向かって)右側あたり。床下の木の柵がなくなった所の屋根の下あたり。廻縁の高欄についている擬宝珠(ギボシ)(周り廊下の手摺についている玉ねぎ)から上にあがっていったところ。そこに樋が小さく見えます。

三月堂には、天平時代(奈良時代)に作られた仏様がおられます。
本尊を始め帝釈天・四天王など天平彫刻(国宝)の宝庫です。

もし行かれる事が有るのでしたら、仏様だけでなく建物にも注意を向けてみませんか?
最古の樋が掛かっています。

↓ 東大寺 公式ホームページ

東大寺の歴史や行事の予定などが書いてあります。
最古の雨といに興味がありましたら一度、ホームページを確認してみて下さい。
拝観料が必要だったり駐車場の案内があります。

↓ 株式会社タニタハウジングウェア 雨のみちデザイン

専門家が東大寺の法華堂のお話をされています。
どういう樋なのかの説明だけでなく、奈良時代から平安時代にかけて古代の日本建築がどのような構造になっているかの説明もあります。手書きの絵も多くあり、わかりやすいです。