小話

ガーゴイル

外国の雨樋の一部です。

動く石像の事ではありません。
屋根から落ちる雨水を遠くに落とすために、軒から飛び出た排水口の装飾です。
なので大量に雨が降ったら滝のように水を吐くものです。雨水を排水しなければただの彫像ですし彫刻されてなければ単なる雨樋です。

芸術的な装飾であるとともに宗教的意味合いが強いものでもあります。
(大聖堂から罪を吐き出す・魔除けなど諸説あります。)
ヨーロッパのイメージも強いですが、古代エジプトの寺院や古代ギリシャの神殿で屋根についています。
ゲームや漫画でおなじみの悪魔や怪物の姿をしたものから普通の動物や人間がモチーフのガーゴイルもあります。

主に口から雨水を排水するデザインになっています。(口以外もあるよ。)
真冬のヨーロッパだと口からつららが垂れ下がっている事もあります。
古代エジプトではガーゴイルから出る水は神聖なものされていたので聖杯などを洗っていたようです。

中世のヨーロッパには、雨樋はありませんでした。
13世紀のゴシック建築の大聖堂が高く急勾配だったため、雨水が漆喰を侵さぬように、外壁から離れた所に水を落とす必要がでてきました。そうして、ヨーロッパにガーゴイルが設置されていきます。
1220年頃のラン大聖堂が最初にガーゴイルを付けたと言われていて、動物を模したものであったといいます。


上 ノートルダム寺院 ガーゴイル(パリ)
下 聖ヴィート大聖堂 プラハ城 ガーゴイル (チェコ共和国)

ついでに言うと、
ガーゴイルは日本語では樋嘴(ひはし)といわれます。