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雨樋の歴史

現存する日本最古の雨樋は「東大寺 法華堂(三月堂)」と言われています。
確認できる最古の文献は平安時代後期の歴史物語「大鏡」のなかにある「あわいに“ひ”をかけて涼し」という一節になります。
多棟住宅の谷の部分「あわい」に取り付けた「受け樋」の事だと考えられています。
当時は、飲料水や生活用水として使用していた雨水を屋根から水槽に導くものであると考えられています。今でいう上水道の役割をしていたようです。

始めは神社仏閣から普及していきます。
神社仏閣では瓦を使った屋根を使用している為、雨樋が使われました。普通の住宅ではかやぶき屋根などを使っていたので、屋根が水分を吸収することなどから普及しませんでした。
一般に広く普及しだしたのは江戸時代になってからになります。
住宅が密集して隣家と軒を接するようになったことと、防火の為、幕府が瓦屋根にする用に奨励しました。これに伴い隣家に雨水が流れ込んだり、跳ね返った雨だれが壁を汚したり、雨水の落下で土台を痛めたりするのを防ぐために樋を使用するようになります。
こうして一般に普及していきました。

材料は、木や竹など自然のものでした。
竹は中の節を抜いてパイプにし、半分に切って半丸の軒樋になります。雨樋として優秀な材料であったと考えられます。
明治に入り文明開化とともに、外国の文化が入ります。そこからブリキやトタンから出来た軒樋が出てきます。
第二次世界大戦が終わり、軍事機密ではなくなったプラスチックが広く普及していきます。
こうして現代の雨樋となっていきます。

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