屋根の形状の一つで、一番上にある棟から四方向に勾配がある屋根です。
妻側から見ると三角形・平側から見ると台形の屋根で構成されています。
この形の屋根を使った建物を「寄棟造り」と呼ばれます。
この形の屋根も切妻屋根と一緒で全世界で見受けられる屋根の形です。
唐招提寺の金堂、奈良の正倉院、東大寺大仏殿などの建物が寄棟屋根です。
建物のすべてに軒があるので、どの方向から風が来ても受け流すことできます。台風などの強風で屋根が飛ばされる心配が少なくなります。
屋根が四方にあるので、雨や雪が降ったときに四か所に分散でき、それぞれの屋根へかかる負担が軽減されるために壊れにくくなります。
屋根が四方全てにあるので頑丈な構造になります。
屋根が四方にある事の利点は雪や雨風に強いことだけでなく、外壁も保護してくれます。
切妻屋根など軒が無い面があると、その部分の外壁が直射日光や雨風の影響を直に受けてしまい、外壁の塗装などメンテナンスの回数が増えてします。
その点、屋根がすべての面にある寄棟屋根は、軒のない面が無いので直射日光や雨風が直接当たりにくくなるために、劣化の進行を遅らせてくれます。
寄棟屋根の建物は重厚感たっぷりの見た目をしているので、高級感ある家になります。
デメリットとしては、
屋根の結合部分が多く、切妻屋根などに比べると構造が複雑になりますので必要な部材が多くなりコストがかかります。
複雑な構造であるため、手間がかかり工事の期間が長くなりがちです。
新築のときもですがメンテナンスも、同じ理由で一回の費用が高くなりがちです。
屋根の結合部分が多い屋根ですので雨漏りには注意です。
ただ、基本的には耐久性が高い屋根なので回数は少なくなる見込みもありますので、長期的に見れば悪いもでもないかもしれません。
四方に壁がある事で、換気が悪くなりがちです。屋根付近の外壁が屋根に守られているため空気の流れを作るのが難しく、材木の腐食やカビが心配になります。
それに、屋根裏のスペースが狭く、屋根裏部屋を作るという夢をかなえるのには向きません。
ちょっとした収納スペースや下の階をつなげて天井を高くする方が使い勝手はよさそうです。