小話

陸屋根(ろくやね) 「りくやね」とも読みます。

屋根に勾配のほとんどない平らな形の屋根です。

平屋根やフラット屋根ともよばれます。
この場合の“陸(ろく)”は「平ら」「水平」という意味になります。

最近は一般の住宅でも見られるようになってきましたが、マンションや高層ビルに病院など鉄筋コンクリートの建造物によくある屋根の形です。
シュッとしたスタイリッシュな外観の家になるだけでなく、一番上の階の室内空間も広く確保できます。

平らな屋根と言いますが、本当にまったいらではなく、雨などの水はけをよくするために小さく勾配があります。
ほぼほぼ、平坦なので屋上をスペースとして利用しやすいです。洗濯物を干したり、家庭菜園をしたり、周りに高い建物が無ければ目立ちにくい場所になるので趣味の作業スペースにもいいかもしれません。

屋根の上に登れるようになっている陸屋根でしたら、改修工事の時もそのまま屋上に出れるので足場がいりません。足場がいらない分一回の工事にかかる費用が少なくなりますし、簡単な補修や掃除に点検は自分で出来るかもしれません。
土地が狭いけど庭みたいに使える場所が欲しいなど、スペースを有効活用ができる形だと思います。

最近は断熱材などの材料も進化していますので熱さを軽減させる方法はあると思いますが、夏場は屋根が近い所が熱くなります。一般的な住宅(三角屋根の住宅など)でも、屋根に近い所が熱くなりますが、陸屋根の場合は屋根と天井の間に空間が無いので直射日光の影響を受けやすいといわれています。

陸屋根は水平の屋根です。水が溜まりやすい形になります。
水が溜まりやすいという事は雨漏りがしやすいという事でもあります。

屋上の周りにあるパラペットと呼ばれる出っ張りがあります。
これは、屋上に降った雨が外壁に垂れ流しにならないようにすることで外壁の劣化を防いだり、高さを高くしたりパラペットの上に柵を設けることで転落防止したりします。ここも雨漏りの原因になりやすい場所です。

パラペットの上には笠木と呼ばれるものが取り付けられます。この笠木の繋ぎ目が劣化したり手すりを付けたりするために穴を開けたりしたところが紫外線などの影響で劣化などをし、そこから中に水が侵入していきます。
特に屋根の上に登れないタイプの陸屋根は、排水口が落ち葉や土などで詰まってしまっているのに気が付かない事があります。屋根の上がプールの様になったままになってしまったり、屋上防水のコーティングがひび割れ剥がれかけているのが分からなかったりします。
早い段階で気が付けば簡単に修理できたものも気が付かないと大変な工事になります。

防水技術は日々進化していますが、経年劣化はどうしようもありません。
人間も健康診断をして早期発見に努めれば、治療費も少なく済むのと一緒で、何もないと思っていてもお家も定期的な点検はした方がいいです。